1月26日(ロイター)
ポンドはドルと等価まで下落する可能性、オバマ米大統領も同じ過ち
著名投資家のジム・ロジャース氏は、英国の債務増大や英経済に成長のけん引役が見当たらないことを考えれば、ポンドは今後数年以内にドルと等価(1ポンド=1ドル)近い水準まで下落する可能性がある、との見方を示した。
ロジャース氏は先週、ポンドは「終わった」と述べ、英国への投資は避けるべきだとの考えを表明。これを受けブラウン英首相は、経済政策は投機家の影響を受けることはない、と言い返していた。(参考記事)
ロジャース氏は、年末までにポンドがどの水準になると思うか、とロイターから尋ねられ「自分は短期的なトレーダーとしてはとても出来が悪い」とした上で、「最安値まで下落するだろうが、それには10年かかるかもしれない。ポンドはかつて、ドルと等価近い水準だったことがある。再びそうならないと言える理由はない」と答えた。
さらに「英国の国際収支には2つの大きな穴がある。北海油田の枯渇と金融業界だ。これら2つの穴を埋め合わせる要因は見当たらない」と述べた。
ブラウン首相が景気回復に向けた基盤が整っていると述べたことに対しては、「それが何であるかを説明してほしい。それが金融セクターの救済だとすれば危機的だ。日本が1990年代に同じことをやり、『ゾンビ』のような銀行が生まれたことを考えるべきだ」と述べた。
その上で「痛みを受け入れ、資産をクリーンにし、再スタートを切るべきだ」と提言。ユーロ加盟によって英国の競争力が高まるかもしれないが、ユーロに対しても長期的な信頼感を置くことはできない、と指摘した。
ロジャース氏は米国についても、オバマ大統領は銀行救済という同じ過ちを犯していると指摘、「オバマ大統領は間違ったプランを取り入れ、間違った人々を選んだ」と批判した。
さらに、有望なのは中国と商品だけだとして、「どの国の株式も購入していない。世界はリセッション状態にあり、良くなるとは期待できない。政治家が間違いを続ければ、リセッションはさらに長く続くことになる」と述べた。
引用元記事
【参考】米ドル/英ポンド
↑米ドル高英ポンド安 ↓米ドル安英ポンド高
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プレジデント 2009年2.16号
ジム・ロジャーズ―すべては、欧米からアジアへ動く
もし今、誰かに1万ドル運用してくれと頼まれたとしたら。長期投資であれば、私は中国株とコモディティ(商品)を買うでしょう。逆に短期で売却益を出したいというなら、日本円、スイスフランなどの通貨に投資するかな。今後2、3年は、通貨を買って売却するのに非常にいい時期だと思います。なかでも日本円は現在、世界で一番強い通貨ではないでしょうか。円は過去40年、対ドルで約400%も上昇したことになります。
私は近い将来、世界的な通貨危機が訪れると考えています。米ドルをはじめとしたほとんどの通貨の価値が大きく下がる。その前に一度揺り戻しがくるでしょうから、そこで売却するつもりです。
中国以外の国で注目しているのは、台湾、カンボジア、モンゴルといったところです。3年前、車で世界一周の旅をしたとき、これらの国を訪れました。どの国も過去に比べ、非常に平和でいい状態にありました。逆に資本主義が行き届かないインドや政治的に不安定なロシアに投資しようとは思いません。
2、3年後に、かつての第二次世界大戦よりひどい状況になる可能性も否めません。今回は金融危機で終わるのか、それとも世界の終わりがくるか。私にとって、世界の終わりとは自分自身が破産することなのですけれどね。
引用元記事(一部抜粋)
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