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 基軸通貨とは、貿易や資本取引など国際取引の決済に使用され通貨の中核として世界で基準・中心となっている通貨のことです。
 発行国の経済の安定・国際金融のインフラが整っていることなどが基軸通貨の条件となります。
 一般的に、歴史上で基軸通貨と定義されたことのある通貨はイギリスポンドとアメリカドルだけです。
 そして、現在の基軸通貨はアメリカドルです。

 しかし、ジム・ロジャーズは、これから基軸通貨はアメリカドルから中国元に移ると言っています。
 そして、これか何が起こるのか知りたければイギリスポンドからアメリカドルへ移行した時代のことを調べろと言っていたので少しこの時代のことを調べてみました。



イギリスポンドからアメリカドルへ基軸通貨変わった時代

 イギリスポンドからアメリカドルへ基軸通貨が移ったのは1910年から1940年ぐらいとされており、ある時を境目に突然変わったというわけでなく徐々に基軸通貨としての地位が移っていった。
 1910年から1940年のこの時期は、第一次世界大戦(1914年~1918年)・世界恐慌(1929年)・第二次世界大戦(1939年~1945年)と世界中が不安定な時期であった。

 イギリスポンドは19世紀半ば以降、国際金融の中心地としてのイギリスの強力な立場を背景に基軸通貨としての役割を担っていたが、第一次世界大戦で欧州各国は経済が疲弊し逆にアメリカは戦争特需で経済が急成長したため、(正式では無いが)基軸通貨が機能面でイギリスポンドからアメリカドルへ移り、第二次世界大戦後はアメリカがIMF体制の下で各国中央銀行に対して米ドルの金兌換を約束したこと及びアメリカの経済力を背景に米ドルが名実共に基軸通貨となった。

 イギリスポンドからアメリカドルに基軸通貨が移ったのは2度の世界大戦という大きな出来事がきっかけであったことがわかります。
 さすがに、今のところすぐに第一次世界大戦や第二次世界大戦に匹敵するような戦争や何かアメリカに被害を及ぼすような出来事は起こりそうもありません。

 しかし、当時のイギリスとアメリカの経済に焦点をあてると別の面が見えてきます。



当時のイギリスとアメリカの経済

○イギリス
 第一次世界大戦後、イギリスの経済は衰退したといえどもポンドは基軸通貨の座にあった。
 その背景には、インドやオーストラリアなど英連邦の国々の存在があった。英連邦は、準備通貨をポンドで保有し、貿易決済をポンドで行うことを好んだからである。またイギリスが輸入においては引き続き世界最大のシェアを誇っていた。
 しかし、1920年代にアメリカが世界貿易における輸出シェアでイギリスを追い抜き、イギリスの経常収支は縮小・赤字転落し、新規の対外貸付の余力を失っていた。

○アメリカ
 工業力をバックとして輸出の急速に拡大し、世界の工場として発展していった。
 輸出によって蓄積された資本をもとにアメリカは、戦争で疲弊したヨーロッパ諸国など他国に資金を貸し出していった。
 そうなると、借り入れる国の債務はポンドからドルにシフトし、必然的に預金残高はポンドが減ってドルが増え、ドルの世界への浸透に拍車をかけることになった。

 世界各地に進出し世界中から製品・サービスを輸入して物質的な豊かさを享受しているけど、世界に製品・サービスを輸出する力が衰え経常収支が赤字になっている今のアメリカと当時のイギリスは似ているような気がします。
 そして現在“世界の工場”と言われている中国は、当時のアメリカと同じく製品を作り世界に輸出し資本を蓄積しています。

 こうして考えると少しジム・ロジャーズの考えていることがわかった気がします。

参照:
wikipedia-基軸通貨
書籍-金融史がわかれば世界がわかる―「金融力」とは何か
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 週間ダイヤモンド編集部によるジム・ロジャーズへのインタビュー記事です。長い記事なので気になる部分だけ抜粋しています。


1月31日:(ダイヤモンド・オンライン)
ジム・ロジャーズ独占インタビュー
「米国に代わる国は、中国以外に無い」


D.W:米国に住んでいては、あなたのいう未来の波に乗れないと考えたのですか?

J.R:こう答えましょう。私が後にした米国経済は今、ひどい状態にあります。サブプライム・ローン問題で広がった膿を出し切るまで、あと5~6年はかかるはずです。

 その上、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げで、状況がさらに悪化している。インフレが蔓延しているというのに、いいですか、繰り返しますが、インフレが目の前にはっきりと姿を現していたにもかかわらず、利下げを繰り返した。

 これによって、米国はドルがどんなに弱体化してもかまわないというシグナルを世界中に送ってしまったわけです。通貨の価値を下げることで国際競争力を取り戻そうとした国は歴史上いくつもありますが、この方法は短期的には有効であっても、中期、長期的にはまったくうまくいった例がありません。



D.W:しかし、FRBの金融緩和がなければ、米国経済はすでに本格的な景気後退局面に突入していたのでは?

 やや乱暴な言い方ですが、景気後退をさっさと起こさせればいいのです。経済にとって景気後退は決して悪いことではありません。景気後退には過剰な部分を取り去って、経済システム全体を正常化させる機能があるからです。

 もちろん、景気後退によって損害を被る人びとも出てくるでしょうが、後になって国全体が悪質なインフレに苛まれるよりはましです。しかし、FRBは痛みを避ける道を選んでしまった。

 この政策の失敗によって、米ドルが“傷物”通貨になってしまったことを、私は嘆かずにいられません。



D.W:中国については、バブル崩壊の懸念が高まっています。

J.R:私は、一般の懐疑心が強ければ強いほど、元を買いますね。中国経済がこれからトラブルに見舞われるのは本当のことだと思います。ただ、19世紀の米国は15の不況と南北戦争と4代の大統領を経て経済大国に成長したことを思い出してください。

 しかも中国は、歴史上何度も興隆を経験した唯一の国家です。今、米国に代わる国家があるとすれば、やはり中国以外にはありません。インドやベトナム、アンゴラなど、他の新興国も期待できますが、今やMBA(経営学修士)の連中が世界中を踏破して新興経済圏は喰い尽くされた感があります。

 だから私は、中国関連を除いて新興経済関連株はすべて売ってしまったところです。

引用元記事(一部抜粋)

 ジム・ロジャーズが期待している新興国のアンゴラってどこ?
 と思い少し調べてみました。

アンゴラ
アンゴラ

 アンゴラ(Angola)はボツワナの北西に位置するアフリカの国です。

アンゴラの経済

長年にわたる内戦によってインフラの破壊や人的資源の損失などが著しいが、沿岸部の埋蔵量80億バレルとされる石油と内陸部に産出するダイヤモンドなどで、経済的な潜在力は高い。内戦が終結し、毎年貿易で30億ドル以上の黒字を記録するなど、これからの発展に十分な期待が持たれる国として外国企業の進出も盛んである。 また、2007年1月1日にはOPECに加盟した。

対日本関係は1990年代以前は希薄であったが、内戦の終結や豊富な資源等が発見され、次第に関係を深めている。2005年には日本大使館が開設された。

国内総生産: 114億ドル(2002年)
一人当たり国民所得: 660ドル(2002年)

wikipediaより


 先日の講演でジム・ロジャーズ氏はアフリカは資源を主体とした経済なので楽観的だと述べていました。
 アフリカ南部のアンゴラ・ボツワナ・南アフリカのライン上に何らかの投資チャンスがあるかもしれません。


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