サブプライムローン問題によって円キャリー・トレードの巻き戻しがおこり急激な円高が起こっていますが、ジム・ロジャーズは何らかのきっかけでこうした急激な円高が起こること予測していたようです。
2007年2月12日(月)『ダイワの投信フォーラム2007』のジム・ロジャーズ講演要約より
Q.
円は実効レートで20年来の安値になっています。為替相場についてどう考えるのかお聞きできますか。
A.
私は円が下がる(=安くなる)と買っている。円は二つの理由で上がる(=高くなる)と考えている。
一つは、日銀が米ドルを買い続けているということだ。これは私には理解できない。米国の政府は紙幣と債券を刷り、日銀はそれを買っている。でもある日、それは変わるだろう。そうでなければ日本は米国の負債を全て背負い込むことになる。
もっと重要なことは、いわゆるキャリー・トレードだ。日本の金利は非常に低い。0.25%だ。多くの人が円を借りてそれを売り、米ドルを買い、5%の利回りに投資している。つまり0.25%で借りて、5%に投資しているのだ。キャリー・トレードにより円は売られ続けるので、円は下落する(=安くなる)。これもいつかは変わるだろう。日銀も金利を永久に0.25%にしておくことはできない。現在、莫大な円のショート・ポジション(=売っている状態)が積みあがっている。
ある日、何かが起きたら、そのショート・ポジションを解消するために円を買い戻さなければならない。すると円が素晴らしく値上がりする(=高くなる)だろう。
この何かが、今月あるいは今年中に起こるかどうか、私は知らない。しかし、ショート・ポジションは買い戻されることになるので、反対のポジションを取っているのだ。日銀も世界中の中央銀行もいつかは分かるときがくる。だから私は、2007年現在、米ドルでなく円を買って円を保有しているのだ。これが、私が今行っている投資だ。
元レポート(googleキャッシュ)
注:
元のレポートはすでに削除されているようなので、googleのキャッシュにリンクしてあります。
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