4日21日(日経オンライン):
ジム・ロジャーズ氏インタビュー、金融危機後の投資術
―― あなたは著作の中で、著名な専門家の助言を求める前に、その事柄について十分に下調べをするよう勧めています。本当に価値ある助言なのかを見極めるためということですが、あなたのようなプロではない投資家にとって、どれほど実際に役立つアドバイスでしょうか?
素人はよく知っている物事に投資するのでなければ、投資に手を染めるべきでない。自動車の整備工であれば、ウォール街の金融関係者より自動車分野に関する知識は豊富だ。新製品や新技術の登場時期も見当がつくだろう。そうした専門知識を持つ人は、精通する分野に努力を傾注するだけで大金が稼げる。投資対象は自動車メーカーだけではない。タイヤやガラスなどの自動車部品メーカーも投資対象となり得る。専門外の多分野に手を出し、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏と張り合おうなどと考えてはならない。
―― つまり、分散投資の奨励には反対ということですか?
分散投資は、証券業者が(投資推奨銘柄の選択のまずさを理由に)顧客から訴えられないために考えついた自己保身の理論に過ぎない。米フォード・モーター創業者のヘンリー・フォード氏は自動車生産に専念し、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も事業の総合多角化はしなかった。富を築くには、1つの籠の中に卵を入れてその籠を注意深く見守る必要がある。その籠が卵を入れる場所としてふさわしいかを確認することも大切だ。
ポートフォリオを分散しても破産はする。この3年間、分散投資をしてきた人に聞いてみるといい。投資資金を失っているはずだ。素人は、何かしなければと思い込んであれこれ手を出しすぎる。大儲けすると、性急に次の成功を求める。自信過剰な状態になって最も過ちを犯しやすくなるのも、こうした時期だ。私もそうした心理状態になることがある。実際にはビーチにでも行って、気分を落ち着けるべきだ。
引用元記事
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Jim Rogers: How He's Investing After the Crisis
4日13日(Business Week):
ジム・ロジャーズ氏は金融危機のあと、どのように投資しているか?
Can you share an example of an investing insight your experience on the ground in foreign countries has given you that most economists and top-down strategists miss?
Q:
殆どの経済学者やストラテジストが気付かず、外国を実際に見た経験があなたを儲けさせた投資の実例を教えて頂けますか?
Crossing into Botswana by motorcycle, there was no hassle from guards at the border. It was perfectly efficient and straightforward. I filled out forms and nobody asked me for bribes. In the country there was no black market for the local currency. There were real roads and real hotels and stores with real products in them. When I got to the capital, there were real traffic lights and office buildings. I did more homework and found that Botswana had a huge trade surplus and a balanced budget, compared with many other countries. There was a democracy where they have elections and a stock market. It's been one of the greatest stock markets in the world for the past 20 years.
A ジム・ロジャーズ氏:
バイクでボツワナを横断した時に、国境で警備員による面倒はありませんでした。それは完璧に手際よく実直にこなしてくれました。書類を記入した後、誰も私に賄賂を求めませんでした。国内に闇の両替市場はありませんでした。きちんとした道路・ホテルそしてきちんとした商品をおいた店がありました。私が首都に着いたときちんとした道路標識とオフィスビル群がありました。
私がホームワークをしたところ、ボツワナは、他の多くの国々に比べて、巨額の貿易黒字と均衡予算を持っていることがわかりました。選挙制度と株式市場を持つ民主主義の国であることがわかりました。
それは、過去20年で世界でもっともすばらしい株式市場の一つでした。
引用元記事
【参考】
アフリカ各市場の時価総額の変化(1995~2005)
ボツワナの株式市場は1995年~2005年の10年間で1370.9%と大きく成長している。
引用元:みずほリポート【2006年5月11日発行】(PDF)
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