2008年1月26日横浜で開かれたジム・ロジャーズ氏の講演に行ってきたので内容をまとめてみました。
○世界の大きな流れ 21世紀は中国の時代になる。 中国で何か問題が起きたときは投資のチャンスなので動くべきだ。子供には中国語を学ばせるべきだ。私の娘は完璧な中国語を話せる。2003年生まれの人間にとって一番身に付けさせたいスキルだったので覚えさせた。
アメリカドルの没落 イギリスボンドが下がっているときに理解して適切な行動をした人は儲かった。そうでない人は損をした。私の娘はアメリカドル預金を持っていない。私も資産をアメリカドルから撤退させるつもりだ。
○投資商品について 債権 世界中の債権市場は1981年から2003年までが上昇相場だった。しかし、私は2003年がピークだったとみている。これから10~15年は下がるだろうから投資はすすめない。
株式 アメリカ及びアジアで現在株価は下がっている。イルード・配当利回りなどいかなる指標を使っても割高だ。3~4年周期で上がったり下がったりするだろう。短期売買で儲ける人々もいるだろうがおすすめはしない。
日本株 アメリカ株に投資するよりは良いので多少持っている。アメリカの影響を受けない会社に投資したほうがいい。アジアの 水・農業関連また中国人の観光に関する会社ならアメリカの影響を受けないので有力だろう。
私は日本では商品のブローカー、高齢化関連の会社、幼児関連の会社などをもっている。日本の商品のブローカーはこれからリターンが楽しみだ。日本は現在少子化対策をあまりしていないが、やがて少子化対策に動くと信じて幼児関連の会社に投資している。
通貨 私は10から20ぐらいの通貨をもっているが、最近は、人民元・日本円・スイスフランに投資している。
人民元は交易量がどんどん上がってきている。人民元は非常に割安で安全な投資先
日本円やスイスフランは何かがきっかけでキャリートレードの巻き戻しがおこり上昇するだろう。
オーストラリアドルやニュージーランドドルに投資している人は日本の低い利率が変わるときに注意すべきだ。利率が変わると他の国の人が円を買い戻す動きが起こる可能性がある。
利率だけにこだわってアメリカドルに投資するな。長期ではアメリカドルの価値は下がる。それをふまえたうえでならもっていてもよいだろう。
コモディティ(商品) 1999年からはじめったコモディティ(商品)の上昇相場はおそらく2020年まで続くと思う。
企業を分析して株式に投資するより商品は簡単な投資だ。需要と供給をみればいいだけだ。
例:オイル
供給はここ25年間減っている。40年間、大きな油田の発見がなく、アラスカ・メキシコ・北海など既存の油田も産出量が減っている。国別で見ればイギリス・マレーシアは10年以内に輸入国になるだろう。中国・インドネシアはすでに輸出国から輸入国になってしまった。またどのオイル会社も埋蔵量が減っているというデータもある。
一方需要は、世界全体が成長し続け増え続けている。一人当たりのオイルの使用量を国別で見ると中国は日本の約10分の1、インドは約20分の1だ。中国・インドの人達はいま日本のような暮らしがしたいと思い働き・投資をしている。
特に現在30年~50年来割安な農産物への投資がおすすめする。最高値より砂糖は85%・コーヒーは60%・小麦は50%安い。また小麦の耕作面積・生産に携わる人は減っており、在庫は1970年以降まれにみるレベルまで減ってきている。
ちなみに同イベントで同じく講演したさわかみ投信の澤上篤人氏も、エネルギー、食糧、工業原料、水の価格はジム・ロジャーズ氏と同じく中国・インドなどの発展が理由で上がり続けるだろうと言っていました。
○投資のコツ 状況が良くない時に、人が目をつけねいないものに注目すべきだ。割安で人気のないものの情勢の変化に注意して買えば、例え思惑通りにならなくても多くは損をしない。
うわさ・TV・酒飲み話などに惑わされないで、自分で勉強して一つのものに長期投資すべきだ。
○3月にジム・ロジャーズ氏の娘(次女)が生まれるそうです。やはり中国語を覚えさせる予定のようです。
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