10月24日(ブルームバーグ):
全資産を米ドル以外に移す計画-人民元買いへ
投資家ジム・ロジャーズ氏は23日、ABNアムロ・マーケッツ主催のアムステルダムでの会合で、自分自身の資産をすべて米ドル以外に移し、中国の人民元を買う計画を示した。米金融当局がドルの価値を押し下げる政策を取っているからだと説明した。
ロジャーズ氏は「向こう数カ月で自分の全資産を米ドル以外の通貨に移したい」と語り、「米国の状況について、それくらい悲観的だということだ」と説明した。
同氏は中国の人民元は向こう10年で4倍になるとの予想を示した。また、プラチナや金、銀、パラジウムなどの保有を続けるつもりだと語った。
米ドルは今年、主要16通貨のなかでメキシコ・ペソ以外のすべてに対して下落している。米国の成長減速や9月の利下げで、ドル建て資産の人気が低下した。
ロジャーズ氏は、ドルの「質を下げるのが、米国の中央銀行と政府の公式の政策だ」と述べた。同氏は「米ドルは世界の準備通貨だが、これは変わりつつある」とした上で、「かつて世界の準備通貨だった英ポンドは、その地位を失う間に80%下落した」と指摘した。
ロジャーズ氏は人民元について、「今買うのに最良の通貨」だろうとして、「向こう10年前後で人民元が大きく下落する状況が思い浮かばない。3倍にも4倍にもなるだろう」と指摘。高成長の中国は「21世紀の最も重要な国になるだろう」との見方を示した。
同氏はまた、スイス・フランと円を買っているとして、「この2通貨はキャリートレードのため下落している」が、円とスイス・フランを調達通貨としたキャリートレードには「いつの日か巻き戻しが起こり」、これらの通貨は「一直線に上昇するだろう」と予想。「私は円を買っている」と述べた。
ロジャーズ氏は株と債券の上昇相場は「終わった」との見方を示した。一方、商品については強気を維持し、「今後5、10、15年に富が築けるのは商品だろう。現在の上昇相場は2014-22年ごろまで続くだろう」と語った。また、「貴金属よりも農産物が高リターンだと思う」と述べた。
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9月24日(ブルームバーグ)
ジム・ロジャース氏:米利下げで農産物価格は「急騰」へ、原油は150ドル
資産家のジム・ロジャース氏はシンガポールでインタビューに応じ、米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げは間違いだったと指摘した上で、世界中の農産物価格を「急騰」させ、ドル安加速とインフレ高進にもつながるとの見通しを示した。
同氏はFOMCが18日に大幅利下げを実施したことについて「ワシントンの道化師たちは世界に向けてドルのことは気にかけないとメッセージを送ったようなものだ」と切って捨てた。
1999年に正確に予想した商品価格の上昇については、あと15年続く可能性があると述べた。その間に原油価格は1バレル=150ドルに達するかもしれないとした。2005年には商品の強気相場が2022年まで続くと予想していた。
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