[ロンドン 31日 ロイター]
米銀行・住宅関連株を売却、中国と商品が有望
米著名投資家のジム・ロジャーズ氏は31日、米国の投資銀行株や住宅関連株、ドルを売り、ロシアとインドへの投資は見送り、中国と商品市場に投資すべきとの見解を示した。ヘッジファンドの会合で述べた。
同氏は1年ほど前から米投資銀行株を売り持ちにしているが、過去数週間でショートポジションをさらに積み増したことを明らかにした。
今夏のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)市場の問題は信用収縮の引き金となり、第3・四半期の銀行決算に打撃を及ぼした。
ロジャーズ氏は「(銀行の)財務状況がどれほど悪いかは誰にも分からない」と指摘。「ウォール街では29歳の若者が100万ドルも稼いでおり、それが普通だと思っている。こうした行き過ぎはいずれ一掃されるだろう」と述べた。
米国の住宅関連株については「3年前に売り持ちにした。住宅市場の低迷はまだまだ続く。大きなバブルは回復までに数カ月ではなく数年を要する」と述べ、ドルが米国のこうした行き過ぎのしわ寄せを受けていると付け加えた。
また、米国の問題への答えは金融緩和ではないとして、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は「ひどい間違いを犯している」との見方を示した。
同氏はロシアについて「資本主義が見られるが、マフィアが国の大部分を支配している」と指摘。
インドについては「目を見張るものがあるが、ひどく官僚的で反資本主義的だ。インフラも整っていない」と述べ、儲けるためには政府内に友人を作る必要があると皮肉った。
一方、中国については「共産国だが世界でも有数の資本主義者だ」とし、後退局面もあるだろうが、それが投資機会になるとの見方を示した。
同氏は、中国とともに過小評価されている投資先として商品市場を挙げ、「商品は為替に次いで世界で2番目に大きな市場で、株より重要だ」と指摘。1999年に始まった現在の商品相場の上昇局面は2014年あるいは2022年まで続く可能性があると述べた。
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