4月16日朝日新聞のジム・ロジャーズインタビュー記事より一部抜粋です。
4月16日(朝日新聞朝刊):
3・11 投資家の目
インタビュアー:
日本には製造業の底力があります。これで外貨を稼ぎ、国を支え続けられないでしょうか。
ジム・ロジャーズ氏:
現実には、日本企業は工場をアジアや北米、南米などに移しています。日本が今後も国内で製造業に頼り続けるのは厳しいでしょう。
企業は海外に出ていけばそれでいいかもしれませんが、職を失う日本人にとっては大きな問題です。そのため、歴史上の国々は、産業の中心を製造業からサービス業や金融業などに移してきました。
日本はアジアの国際金融センター、あるいは国際的な商品取引センターになることもできたはずです。しかし、そうした機能は香港やシンガポールに奪われつつある。
日本には素晴らしい大学もあり、アジアの教育センターにもなれたかもしれない。
でもそうなっていないのは、外国人や外国の資本を受け入れないからです。
インタビュアー:
足もとでは、日本企業は円高に苦しんでいるという現実もあります。日米欧の円売り協調介入で一息つきましたが。
ジム・ロジャーズ氏:
日本人は強い円が日本経済にダメージを与えるといつも言いますが、待ってほしい。1ドル=360円の時代もありましたが、いまや1ドル=80円台。それでも日本の貿易収支は黒字です。
円が強くなれば、日本が輸入するすべてのものが安くなります。綿や銅などを輸入し、原材料としている製造業は助かります。外国の資産を買うにもいいタイミングです。退職後に外国に移り、よい人生を送ることもできます。強い円は1億2,000万人の日本国民を助けるのです。
日本はたくさんの資本と製造業の技術を持っています。一方、中国には巨大な市場と、安い労働力がある。円高を恐れるのではなく、韓国や台湾なども含め、これらの国や地域と協力し合えれば、すばらしいことができるがずです。世界を乗っ取ることだってできる。
アジアの将来に私は非常に楽観的です。だからこそ、私はシンガポールに引っ越してきたのです。
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